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無処理の翡翠なのに色が変わった!どうして?(2009/11/29)

タイトルと同様のご質問をいただくことが時々あります。


もしかしてこれは染色やエポキシ樹脂など入れた処理石なのでは?

と疑問にお思いの方へのお答えです。


比較的低価格で販売されているものには無着色のものでも変色は起こりえます。


簡単にご説明いたしますと


翡翠は翡翠のごく小さな結晶が複雑に交差してヒスイ岩を構成しています。

この小さな結晶と結晶の間にほんの僅かな隙間がありましてそこへ原石を切断するときに使用した冷却用の水や油が浸み込むことが往々にしてあります。

これは切断部分が切断の熱により結晶と結晶の間の隙間が広がり浸透しやすくなると考えられます。

水分の場合、乾燥したところに長く保管しておきますと蒸発して透明度が低くなり白っぽくなります。

油脂分の場合、酸化して黄色っぽくなることがあります。

もちろん冷却用の水や油が汚れていて鉄分やそれ以外の不純物が入っていますと他の色になりますが

多くの場合、薄汚れた色になります。


またくりぬき指輪の場合、汗など体液が沁み込むことにより透明度が増しきれいになったということもよくあります。


品質の良いものは翡翠の結晶が小さく密着していて結晶と結晶の間がほとんど隙間がなく水分や油脂分が浸透しにくく変色することもないのです。


ですから弥生時代や古墳時代の古い遺跡から出土した勾玉など玉類の品質の良いものは当時とほとんど変わらない色をしているものと考えられます。

しかし、品質の良くないものは当時より白っぽくなったり黄色っぽくなったりしていると推測できるものを博物館などで見かけることがあります。

古い時代のものは土中にあったりして条件が悪く色が変わったものもあるでしょう。

しかし、中国の清の時代の翡翠加工品など見てみましても製作当時は白かったが現在は黄色く変色していると推測できるものはよく見ることができます。(皇帝用のものは染色はしてないでしょう)無処理翡翠で建物内部のように保管条件が良くても変色することはあるのです。

変色の程度は保管条件や翡翠の質の良しあしによります。


樹脂含浸したものはこの隙間がある翡翠なのです。

天然の原石を見ますと表皮が黄色から茶色ぽいものがあります。

この色は翡翠表皮に近い部分に入り込んだ鉄分の影響と考えられます。

そうだとすればその鉄分を酸で溶かして排出し、隙間を広げて樹脂が入りやすくして含浸をする。

ということなのです。ほんの僅かな隙間ですが毛細管現象により中まで入り込むのです。

瑪瑙や大理石など硬い石でも同じような現象を起こします。


「樹脂含浸をするとどうしてきれいに見えるの?」


とご質問される方はいないと思いますが


それは翡翠の小さな結晶の間に隙間がありますとそこで光が反射してしまい光が透過しにくくなり

ます。

その隙間に水分や樹脂が入っていますと光が反射することなく透過して透明度が増すのです。

翡翠は表面処理としてワックスを薄く塗ることがよく行われます。

これは肌触りを良くするとともに翡翠内部に浸透している水分などが蒸発しないようにする役目も

果たしています。

水の代わりに油が入っているものには空気に触れて油が酸化しないようにする役目となります。


また 翡翠くりぬきリングに多いのですが

装着していたら「翡翠がきれいになった」とよく聞くことがあります。

これは汗やお風呂の湯、炊事の時の水などが翡翠に浸み込み透明度が増してきれいに見えるようになったということです。

(中国のある時代には贈呈する前に一定期間自分で身につけてからしたという話があります)


反対に長い間箪笥に入れたままでいますと不透明となり白っぽくなることがあります。


同じような現象は印鑑や彫刻品など程度の差はあれ色が変わることがあります。

原因が分かればその解決方法もお分かりになれますね。


もちろん 透明度の高い高品質のものはこのようなことはありません。

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